不倫 定義(意味)
■不倫とは 法律上の定義
日本の法律では、不倫や浮気という名称そのものは定義付けされていません。 法律用語ではないのです。
民法第752条は、夫婦間の基本的な義務として、貞操義務があると解されています。
貞操義務に反する行為は、不貞行為として離婚理由になることが民法第770条に定められています。
不貞行為とは、貞操義務に反すること、つまり結婚しているひとが自由意思で配偶者以外の異性と性的交渉を持つことです。
性交渉を伴えば、一時的なものか継続的なものかを問いませんし、金銭による女性との性交渉も不貞行為にあたります。
従って、法律の対象となる不倫とは、不貞行為に該当する場合であるということができます。
しかし、不貞行為自体もしくは不倫自体に罰則があるわけではありません。
過去には「姦通罪」として、不倫は刑罰に規定され犯罪とされた時期もありました。
日本の離婚裁判で2番目に多いのが不倫を理由とする離婚訴訟ですが、裁判では 心が特定の異性に強く惹かれたとか、デートをした、キスをしたという程度では 不倫とはいえず、民法で定められた不貞行為に該当するとはいえません。
不倫(不貞行為)は離婚事由になること(民法770条)、不法行為として損害賠償を求めることができること等が民法第709条に定められていますが、不倫が離婚事由になるからといって、ただちに裁判で離婚できるかといえば、そうではありません。
詳しくは、本サイトの
■倫理上の不倫とは
倫理上の不倫は、男女の関係がひとの道に外れることです。
倫理は人間が集団生活を営むうえで、争いを回避し多くのひとができるだけ平穏に暮らせるようにするために、過去の歴史から学んだ人間社会のルールです。
法律よりも広い概念です。
殺人や近親相姦等を禁止することは、人類に広く共通する倫理ですが、民族により、地域により、時代によって倫理は変遷していきます。
民族によっては、一夫多妻制を認めているケースもあり、日本においても夫が妾を囲うことを是認する時代もありました。お妾さんは、日陰の華として表舞台には出ることなく、慎ましく生きることが美徳とされていました。
一方、妻が不倫をすると「不義密通の罪」「姦通罪」として厳しく罰せられる時代もありました。
このように、不倫のとらえ方は時代によっても、地域によっても異なるケースが多いのです。
現在の日本では、不倫とは、法律上の不貞行為と同一ととらえるのが一般的です。
■不倫と浮気の違い
不倫も浮気も法律上の用語ではありません。
婚姻関係にあるものが、自由意思にもとづいて配偶者以外の異性と性的交渉を結んだ場合は、法律用語で不貞行為という用語で表現されます。
したがって、不貞行為に該当する場合は、不倫であろうと浮気であろうと同じ意味になります。
法律以外の一般的な使い方としては、婚姻関係にある者が配偶者以外の異性と性的交渉を
結ぶ場合を不倫、婚姻関係および恋愛関係にあるものを含めて、別の異性と性的交渉を結ぶ場合を浮気と表現する場合が多いといえます。
浮気は不倫よりも広い概念で用いられる場合が多く、ひとによっては、性的交渉を結ぶに至っていない場合、たとえば夫や恋人が自分以外の異性と食事に行ったり、コンサートに行ったり、プレゼントを贈ったりした場合なども浮気ととらえる傾向があります。
なお、不倫と浮気を明確に区別して使い分ける実質的な意味は殆どありません。